について、少し書いてみます。
前回、少し予告した通りです。
今年のヨーロッパは「
ベネチア・ビエンナーレ」「
ドクメンタ12」「
ミュンスター彫刻プロジェクト」と三大国際美術展が揃い踏み。日本人の美術関係者の多くが、この三展覧会をはしごしています。...
な〜んて書いていますが、実はそんな状況、全く知らず、運良くこの夏、パリに1ヶ月以上滞在できるという話が舞い込んできたのと同時に、この三大美術展の話を耳にして、まぁ、こんな機会は一生無いだろうということで、私もイタリアからドイツへ三展覧会をはしごすることになった次第です。
ところが出発前、いち早くこの三展覧会を見てきた人達の噂で、
三展覧会、全て総崩れみたいな、あまり芳しくない評判ばかり耳にしていました。これから見に行く身にもなってよ、なんて話ですが、まぁ、あまり期待せずに見て回ることにしました。
「ベネチア」は前に書いた通り、コメントすることもないか、なんて感じ。「ミュンスター」に関しては次回、軽く(本当に軽く)書こうと思っています。
そして「ドクメンタ」。いや、結構、私は面白いと思いました。まぁ、何か特別な驚きや、特に印象に残った作品があった訳ではないのですが、展覧会の企画として、結構しっかり組み立てられていたのではないかと思ったのです。
メイン会場の最初に鏡の部屋を作って(これも作品だったのかな?)観覧者の身体を否応なく見せる。その後、様々なアプローチで身体について問い掛ける。そんな展覧会だったと思います。
様々な場所に置いてあった休憩用の椅子が中国の椅子だったのも印象的。中国の椅子って、西洋の椅子と違って、誰も座っていない椅子にも、座っている人の形が見えるような気がするのですよね。
で、
そもそも日本人は、これらの展覧会に必要以上に何かを求めすぎていると思う。美術巡礼みたいな感じで。まぁ昔、これらの美術展で刺激的な作品が多く見られたのでしょうけれど、しょせん西洋人にとって、これらの展覧会は
数週間の長いバカンスを楽しく過ごす、イベントの一つみたいなものでしょう?だって、乳母車を押しながら、楽しそうに会場を歩く夫婦とか、いっぱいいたもの。
日本の美術関係者も「次の美術の動向が表れていない」みたいな堅い話よりも「ドクメンタの離れた会場に移動する為のトラムやバスの運賃は、入場チケットに含まれています」というような有益な情報を語って欲しいものです。トラムの切符を買わなければと思ったけれど、自動販売機の使い方が分からず、散々苦労した揚げ句、鉄道の駅で質問したら、何だか知らないけれど相当高い切符(多分、だいぶ離れた区間も使える切符だと思うけど...
)を買わされました。
後で、入場チケット(2日間チケット)の裏を見たら、英語でトラムやバスが、この入場チケットで乗れることが書いてあった〜!ガーン(涙)