に行ってきました。
カタコンブとは地下墓地のことで、パリのカタコンブは、5世紀末まで使われていた採石場を利用し、1785年から100年かけて、手狭になったパリ市内の共同墓地から、無縁仏600万体を納骨したそうです。ちなみに、このカタコンブ、7ユーロの入場料で見学出来る、
れっきとした観光名所です。(とは言え観光可能なのは、パリ市の地下全域に、蜘蛛の巣のように展開している洞窟の一部らしいですが)
さて、カタコンブの入場券を買うと、ひたすら螺旋階段を地下深く降りることになります。結構、地の果てまで降りる気分です。螺旋階段が終わると、今度は仏様の埋葬地まで、薄暗い洞窟の中を進みます。ちょっとした探検気分です。とは言え、ここはパリの観光名所。自分以外にも幾人もの観光客やデート中(?)のカップルの姿も。
だから、いざ洞窟の壁にぎっしり積まれた人骨の山を見ても、恐怖とか畏敬の念を抱くとかいう感じではありませんでした。それよりも、頭蓋骨で十字架や水平線を壁に描くように配置していることが興味深かった。
って言うか、ハート・マークまである!みたいな。まるで、納骨時から、この場所が観光地となることを目論んでいたのではないだろうか。そんなことを思わされる、人骨の積み上げ方です。フランス語は読めないので詳しくは分かりませんでしたが、昔の貴族が蝋燭を持って洞穴を進むイラストが入り口に展示してあったので、もしかしたら、納骨直後(もしくは納骨前から)、すでに観光地になったのかもしれません。
パリに来て思うのは、フランス人は文化を金に替えるのが(観光化するのが)、いかに上手い国民であるか、ということです。美術館を例に挙げると、
ルーヴルの地下はショッピングセンターがあり、美術鑑賞の後はゆっくり買い物をして帰って下さい、と言っているようです。
ポンピドゥーの前は、京都の清水寺や銀閣寺の参道のお土産物屋を思い起こします。
オルセーには世界中の美術教科書に作品写真を売り込んでいるのではないかと思われるくらい、見たことのある作品が並んでいます。
そのようなことを思い、地の底から上がってきたら、出口は、メトロの前の分かり易かった入り口とは異なり、住宅街の裏口でした。
ちょっとした秘密クラブの体験をしてきたような演出(?)が、また心憎い。
その後、墓地続きで、近くのモンパルナス墓地に行きました。著名人も多く埋葬されている有名な墓地です。学生らしき二人連れが、墓地の管理職員に、著名人の墓の場所を聞いているのを見ました。
流石パリ、流石フランス。有名人の墓も無名人の墓も観光地にしてしまう、したたかさ。これからは日本も文化を金に替えなければ、などとよく言われますが、それでも、ここまで上手に金に替える
浅ましさは 必要はないと思いますよね。